
日経BP社 『企業と家庭は「巨大地震」にこう備えよ』によれば、
"阪神・淡路大震災の場合、約35%が自力で脱出し、約32%が家族に助けられ、約28%が友人・隣人に救助された。救助隊による救助はわずか2%弱"
さらに、
"福和教授によれば、現在、救急車は人口6万人に対して1台しかない。東京消防庁の公表データでも1999年の救急車台数はわずか198台に過ぎない。これでは大地震という混乱の中で救急車の出動を期待することはできない"としています。
つまり、被災後の救助の98%は自分 or 周辺の市民に掛かっている、という事になります。119番で通報出来たとしても被災地まで救急車が到着できるかどうかも分からない上に、要求数はあまりに過大で対処は不可能です。推定210,000人の負傷者が出るのですから、電話対応すら困難な状況でしょう。
後編では「社内で被災したらまずは被害者救助」について書かれています。
企業の従業員が応急処置や救命処置の訓練指導、周辺市民への救援に向かえるような状況が好ましいですが、達成できる企業は幾つあるのか?
650万人の帰宅困難者は自宅へ戻ろうとする人が多いのか、或いは被災地へ残り避難民として過ごすのか、その割合は未知数ですが、避難民として過ごす場合は被災地での救助・復旧への戦力としての活躍が見込まれています。
災害セット、救急セットなどは企業がまとめ買いしたりしているようですが、応急処置法、工具の使い方、ビル自体の防災システムの熟知、周辺市民への救援が必要な場合は何が必要か、社内での帰宅困難者は何名出てくるのか・・・。
救援だけで無く企業の業務再開へ向けての手法や、バックアップ・プランの始動は5W1H 【Who(誰が) What(何を) When(いつ) Where(何処で) Why(何故) How(どのようにして)】 などで決めておく必要があり、課題は山積みです。

株式会社パスコでは、自治体等の防災コンサルタントの知識とGIS技術であるルート検索技術、地図コンテンツ整備・提供能力を融合し、震災時における従業員の帰宅をサポートするサービスを提供しています。
通行時の安全を確保するため、有料道路、幅員3m未満の道路は検索対象とはせず、個人向けサービスもあります。
帰宅困難者となった場合には、地域住民とともに一時避難場所や広域避難場所へ移動することを、自治体では求めています。
これは数十万人が大移動する事で避難経路が人で寸断されてしまい、被災地への救援を困難とする為で、交通機関が回復するまで待機が適切とされ、大規模な災害では応急的な復旧が開始されるまでは2〜4日間は広域避難所での待機が求めているとの事でした。
では、交通機関は何時になったら回復するのか?
例えば阪神淡路大震災の阪急電鉄は、土木関係26箇所、高架橋を含む橋梁関係70箇所、停車場関係64駅、軌道関係31箇所、車両92両がダメージを受ける、というデータが「札幌人からみた関西圏の鉄道事情 + DVD『阪神淡路大震災 阪急電車の全記録 ドキュメント1405日(全90分、98年度作)』にありました。
しかし、阪神方面へは被災翌日、1月18日で平常ダイヤ運転再開していたのです。
ただし列車が運転再開するとはいえ、百万人単位の被災者が駅へ殺到しては新たなパニックを起こしてしまう可能性が高く、大量の帰宅困難者をどのようにどう動くべきか論議を重ねていく必要があります。
自治体とコンビニとでの提携話はあるものの、鉄道会社の駅周辺の状況伝達方法や具体的な帰宅支援方法については、まだまだ検討段階といった所です。
コンビニの場合は生活必需品等の供給を行えるようにする予定ですが、帰宅困難者の移動経路沿いでは周辺住民の被災者も加わり、支援するにしても困難を極めます。