
これは不可避な問題です。
転戦についてですが、これは火災発生時に消防隊が、消火活動中であるのにも関わらず、他の消火現場へ向かう事を指します。
原則として他に延焼する危険が、ほぼなくなった場合としていますが、火災が同時多発的に発生したような場合だと、やむ得なく消火活動へ中断、或いは早急に向かうことの出来ないケースが出てきます。
東京都心から同心円状70km圏内には約3,439万人の市民が生活していますが、限られた水、消防車、消防隊員では、同時多発火災へ対処する事は物理的に不可能なのです。阪神淡路大震災では、消防隊が到着したとしても水不足で消火活動が行えなかった地域もありました。
消防署も対策として各地域の消防団の形成を強く推進しており、初期消火へ対処を見込んでいます。市民防災の力で大火を阻止しなければなりません。
消防団の形成とまで行かなくても、各自治会が消火用の備品整備や、取扱いの訓練をしているだけでも初期消火に対しては強い対抗力を持つことが出来ます。
首都圏直下型地震の推定死者11,000人の5〜6割は火災によるもの・・・初期消火が充分に行う事が出来れば木造家屋が延焼して大火になる危険性を低下させる事が出来るでしょう。

トリアージとは災害医療における、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別する方法です。分別されるという事は、治療の優先順位は患者の状況によって異なってきます。
通常状態の医療機関なら、予約を受けた順に診察を受けたり、呼吸が止まって心肺停止でも集中治療室などで蘇生を試みるでしょう。
しかし、大震災や戦時など救命に関する資源が限られている場合は、上記の診察優先度での診察や、蘇生行為が必ずしも行われる訳ではありません。
考えてみても、210,000人の負傷者が出ると予測される首都圏直下型地震について、対応できる病院数や医療関係者、医療設備、早期の搬送能力は流石に備えていません(集中治療室が何百室もある訳では無いので)。
トリアージの判定は市民にも任される場合があり、助かる見込みがあり、搬送の緊急性が高い患者を選別として医療機関へ送り、限られた医療資源を有効に使うしかないのです。
自治会・町内会によるクラッシュ症候群の早期判断能力や、心肺蘇生術、少しでも医療に関する心得があれば、医療資源を効率的に使う事が出来、より多くの人々を救うでしょう。
首都圏直下型地震の被害規模の大きさは東京一転集中による弊害とも言えますが、今となってそんな事を指摘してもどうにもならない事なので、高層難民、長周期地震動、大火阻止、何れも市民の力が必要な事項となってきます。市民だけで無く、自治体も広大な敷地を持つ民間企業との提携も進めておく必要もあるでしょう。