
これも高層ビルに関わる問題です。
簡単な実験をするとすれば、例えば風呂桶に水を半分だけ入れて、風呂桶の長い方向へ手を上下に動かしてみましょう。
バシャバシャと細かく動かすと波が立つ程度で水は風呂桶よりも外へ出ることはありません。
しかし、少しずつ動かす距離を長くしていくと波が急激に高くなり、片手一本で風呂桶の半分であった水位が外へと漏れます。
原理的には少し異なるかもしれませんが、これと似たような事がコンビナートのタンクや、高層ビルで起きるのです。構造物には共振する特定の周期があり、この周期が一致すると小さな力であっても思わぬ影響力を及ぼす事があるのです。
長周期地震動は平野などの軟弱な地盤で振動が増幅されるので、長周期地震動を根本的にどうにかする事は不可能で、現在の所、共振しにくい構造物を設計するか、構造物の何処かで打ち消すような仕組みを備えるなど、今までに無い対策方法が求められます。
現段階では超高層マンションが長周期地震動に対して何処まで被害が出るかは不明で、茨城県つくば市にある独立行政法人 建築研究所が行ったミニチュアの47階建てビルのシミュレーションでは、部屋全体が3m揺さぶられて、揺れも5分間と続いた、との結果でした。
マンション自体が耐えても重量級の家財(食器棚、テレビ台、冷蔵庫など)、が3mも動けば危険である事は間違い有りませんし、揺れている間は避難行動自体が困難(というか不可能)です。

長周期地震動は大きな波の事ですので、高さ数十mのマンションや、一戸建てには影響しません。
低層の構造物には短い周期の波、つまり細かな振動が大きく影響して家屋にダメージを受けるのです。
厄介な事に、長周期地震動は数百キロ離れた地域まで届き、震度計では2や3だったとしても、超高層ビルへ大しては大きく影響してしまうのです。
「震度3かぁ、ちょっとガタつく程度かな」と思っていたら、エレベーターが損傷したり、家具がいきなりズレ動いたりする可能性もあります。
構造物自体はダメージを受けないと考えるとして、高層に住む場合は、まず家具の固定が必須になるでしょう。高層難民と同様の想定で備蓄強化も必要となってきそうです。
長周期地震動に対しては研究や対策が進んで居らず、Googleで検索しても僅か96.500件と認知度の低さもありそうですし、参考となる資料もネット上では余りが見つかりません(2007年11月30日)。